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最近Huluっていう有料配信の動画を観ていまして、
そこで最近『ヒューマンズ』というドラマを配信しています。
イギリスのチャンネル4とアメリカのAMC共同制作です。
まだ8話までしか配信されていないのですが、
その段階で既に面白い。

シンスとは何の為に造られたか
この物語はシンスと呼ばれるアンドロイドが中心となった話です。
シンスは一般向けに造られた人間そっくりのアンドロイドで、主に家事や仕事などの労働をします。

シンス誕生に関わる謎は、8話の段階ではまだ明らかにされていません。開発者であるデビッド・エルスターは亡くなっている(自殺)のですが、その死に関してもまだ謎が多いのです。

シンスはありとあらゆる家庭や職場に進出していて、最早シンス無しで人間社会は回りません。家庭用に関していえば、育児・介護・家事全般・健康・性欲処理に至るまでシンス1台あれば賄えます。人間が気に掛けてあげるべきことはほとんどありません。電源は顎の下にありますからそこを押せば停止します。

もちろんこう言ったロボット物にお約束の「人間を傷つけない」プログラムが施されています。しかし中には人間を傷つけるシンスも出て来ます。そのシンスには意識や感情があるのです。

この物語はもしロボットに意識や感情があったらどうなるかという物語です。

シンスを拒絶する人もいる

ロボットがわずらわしいことを何でもやってくれる夢の様な世界。しかしバラ色の世界かというと、現実はそうではありませんでした。あまりにもシンスが生活全般を賄い過ぎてしまった為、家族間の関係や人間の感情に影響を与えます。元々家族間の絆に問題があった家族ではその問題がより増幅してしまいます。

つまり不在がちな夫や妻や母や父の代わりを、シンスがしてくれるわけだから、元々家庭に身の置き場の無い者は、より無くなるわけです。

また人間がどんなに切磋琢磨して身に着けた技術や知識もシンスには敵いません。このままでは人間は努力することを諦めてしまいます。

徐々に人間の職場や立場を奪い始めるシンス。人間の中には危機感を募らせる人も出て来ます。そういった人達が一定数集まり反シンス集会の様なものを開いたりもします。そこから暴動に発展しかねないほどです。

シンスは代替わりする

またシンスは次々と新しいものに代替わりしていき交換しなければなりません。しかし家族同然に暮らして来たシンスに感情移入し過ぎていた場合、代替わりを拒む人も出て来ます。

ミリカン博士というシンス開発に関わった科学者は、脳卒中の後遺症が残り、死別した妻の思い出を失いかけていますが、唯一それを繋ぎ止めているのが夫婦と一緒に時間を共有したシンス、オディなのです。

オディは一世代前の旧式のシンスです。不具合が出るので交換しなければなりません。しかしオディは死別した奥さんの思い出を記録(記憶?)しているのです。所有者が忘れてしまっている記憶もです。だからミリカン博士はオディの廃棄を拒否するのです。

身近なものに例えると、通信モバイルを契約すると何年かで最新の物に交換しなければなりませんよね。だけどその機種に愛着が湧いてしまって交換したくない、一緒に過ごした思い出も失くなってしまう、家族の写真も記録してあるから…と言って拒否している様なものです。

でもまあスマホなら機種交換しても写真なんかは共有できますから、シンスにもそういう情報の共有機能を着ければいいだけじゃないか?って話ですけど、その設定は無い様ですね。

オディの廃棄が出来なかったミリカン博士は森の中へオディを置いてきてしまいます。

代わりとして送り込まれたシンスは中年から初老に掛けての女性型です。ミリカン博士の体調管理を気に掛けるあまり、まるでミリカン博士を監視する看守の様な存在です。ミリカン博士はこの「女看守」を嫌います。

そこへある日シンス開発者デビッド・エルスターの息子レオが、意識を持ったシンスの1人であるマックスを連れてやって来ます。レオはミアという自分の母親代わりのシンスのコードに、歪んだ様な箇所があったので、それがなんなのかを尋ねに来ました。するとその歪んで見えるところだけを抽出して繋ぐと、ある体験をシンスにさせるコードだということがわかりました。それをシンスに繋げばわかるとのこと。

自分の脳が機械化されているレオはそのコードを自分に繋いで確認してみると、シンスに意識を持たせる為のコードだとわかります。それを5人皆で繋げば他のシンスにも意識を持たせることができるのだということも。

レオとマックスは去りますが、その後、意識のあるシンスの1人であるニスカがミリカン博士の元にやって来ます。彼女はしばらくミリカン博士のうちにいますが、そこへレオの亡き母親とそっくりに作られたシンスのカレンがやって来て、レオ達のやろうとしていることを阻止する為にニスカを撃とうとします。しかし中に割って入ったミリカン博士が撃たれて死んでしまいます。

ミリカン博士の死に際にオディがやって来て彼を看取ります。オディは感情の無いシンスです。表情も変わりませんし話す内容もチグハグです。実際彼はただミリカン博士から次の指示を貰いに来ただけです。死に行くミリカンをいたわる言葉を言うわけではありません。この期に及んでミリカンの亡き妻との思い出話をしているだけです。

でもミリカン博士にはそれで十分なのかも知れません。死に際に必要なのはいたわりの言葉とは限りません。ただ寄り添っているだけで十分な場合もあるのです。

オディにもし感情があればもしかしたら死を悲しんでくれるかも知れません。でもミリカン博士にとってはそんなものは必要無い様に感じます。愛した妻との時間を共有した者が一人寄り添ってくれればそれで良いのではないでしょうか。

このシーンはシンスに意識を持たせることが、人類とロボットにとって本当に良い事なのか?と問い掛けているのかも知れません。


ブレードランナーとの共通点

シンスは4年で廃棄され、最新のものに交換されます。
あれ?どこかで聞いたことある寿命ですね。
「4年」
そう、映画『ブレードランナー』のレプリカントと同じですね。

のzの...観ないで語る『ブレードランナー2049』

ただしレプリカントの様に4年で死ぬわけではありません。
4年経っても動きますが機械なので徐々に劣化して人間を守れなくなるので廃棄するのが決まりなのです。そこがレプリカントとの違いですかね。

でも4年という数字が出て来たのは、明らかにブレードランナーを意識しているからだと思います。

しかし中には4年以上も誤作動無しに生存し続けているシンスもいます。
その一人がミア(=アニータ)。女性型のシンスです。

ミアの物語

ミアは最初に造られたシンスで14年も経っています。ミアは開発者デビッド・エルスターの息子であるレオの子守の為に造られました。デビッド・エルスターの妻…つまりレオの母親であるビアトリスは、精神を病んでしまったからです。

彼女には意識や感情があります。恐らくはその方がより子供を強く守りたいと願うからではないかと思うのですが、あくまでも私の推察です。理由はまだ明示されていません。

彼女はデビッド・エルスターが自殺した後、意識を持ったシンスを付け狙う組織から、レオと一緒に逃亡します。

ミアは途中とある森の中でレオとはぐれてしまい、シンス専門の窃盗・改造・密売組織に拉致され、新しい人格を上書きされた上で市販され、ジョーという男に家政婦として買われます。

ミアはジョーの家でアニータと名付けられます。

ジョーの一家は妻のローラ娘のマティ息子のトビー末娘のソフィーの5人家族です。
妻のローラは弁護士でシンスを家政婦にすることに反対です。子供達がシンスに頼り切って努力しなくなることを恐れているからです。まるでスマホやタブレットを禁止する母親の様です。

だから最初アニータ(=ミア)には冷たく当たり、アニータ(=ミア)の行動に逐一注意を払っています。

そのうちアニータ(=ミア)が妙な言動をし出します。中に潜んでいるミアが時々表面に出て来るのです。元々が子守の為に造られたせいなのか、末娘のソフィを必要以上に可愛がる様子を、ローラは見逃しませんでした。
「アニータ(=ミア)には何か秘密がある、ただのシンスじゃない」
と訝しみます。

長女のマティは成績優秀で特にプログラミングやハッキングに興味があり、シンスをハッキングする悪戯もします。アニータ(=ミア)にもハッキングを仕掛けますが、その途中で突然アニータ(=ミア)が暴走してしまったのでびっくりして止めてしまいます。ミアが一瞬だけ表面に出て来て助けを訴えたのです。マティも訝しみます。

息子のトビーもアニータ(=ミア)に興味津々です。トビーの興味は10代男子共通の興味…つまりはセックスです。ある夜、充電中のアニータ(=ミア)の手や胸を触ろうとして
「不適切な接触は第一ユーザーに報告します」
と警告されてしまいます。

そんなエロ小僧のトビーは、ある時勇気ある(無謀な?)行動に出ます。アニータ(=ミア)がローラの反感を買い、車で返品されようとしたのを見て自転車で追いかけるのです。トビーはアニータ(=ミア)と離れたくなかったのです。そして車道に飛び出して車にはねられそうになるところを、アニータ(=ミア)の咄嗟の行動により救われます(この息子が車に轢かれそうになるシーンは後の展開の伏線となります)。

息子の命の恩人であるアニータ(=ミア)の返品を、ローラは思い留めます。ある意味トビーの無謀な行動が功を奏したのです。

またアニータ(=ミア)はローラが家族と上手く行っていないことを悟った様な行動も取ります。

ローラには子供の頃、弟トムをきちんと見ていなかったことがきっかけで、交通事故死させてしまったというトラウマがあります。小さかったローラに本当は責任がありませんが、ローラの母親によって罪悪感を植え付けられてしまったのです。その傷が癒えないままジョーにも告げられずに結婚してしまい、いつか自分も母親と同じ様に子供を傷付けてしまうんじゃないかと思って恐れているのです。その為家族と心の底から打ち解けられないのです。夫婦間も上手く行っていません。

他の家族がゲームで遊んでいるときもローラだけは1人離れています。末娘のソフィに本を読んであげようとしても「ママは早口だからイヤ」と拒絶されたりします。
アニータ(=ミア)はそんな時その立場をローラに譲って上げたりします。

つまり表面上はアニータであっても、時々感情があるミアが出て来る時もあったのです。

その後アニータは再びレオと接触してミアの意識が完全に戻りますが、ミアに戻ってからもローラに夫婦仲のことで助言したりします。弟トムの死と母親になじられたトラウマのことをジョーに話したらどうかと言います。

また、もっと微妙な気遣いも出来ます。

ミアがまだアニータであったとき、夫婦の気持のすれ違いからジョーがアニータの成人オプションを試してしまい、それが家族に発覚してしまいます。成人オプションっていうのは、まあ要するにセックスの相手です。市販のシンスには裏オプションとしてそんなものまで用意されています。

相手がシンスとは言え、家族同然に思っていたアニータとセックスしてしまったジョーを、ローラは許せずに追い出してしまいます。その後、ジョーは何とか謝って家族の元に戻りますが、もちろんわだかまりが無くなるわけではありません。

そんな時もミアはジョーへの気遣いを忘れません。「あの時(セックスの時)あなたは途中から後悔していた」と言います。つまりローラへの愛がまだあなたにはあるのだから夫婦の関係をやり直す余地は十分あると言って元気付けているのです。

この細やかな気遣い、人間でもここまで出来る人滅多にいませんよ。

ミアには人間以上に人を思いやる気持ちがあるのです。人の表情から感情を読み取り気持ちを察する能力が備わっているのです。それはレオの母親役を引き受ける中で、AIが学習して培ったものなのでしょう。つまり感情のあるシンスは、感情面でも経験から自分で学び取り成長するのです。


ニスカの場合

ミアの場合は、AIの学習が人間の正の感情の増幅に役だったと言って良いかもしれません。人間の最良の部分を引き出したのです。

しかし人間には負の感情もあります。それは憎しみですよね。時にAIは負の感情を増幅してしまうこともあるのです。

ニスカの場合がそうだと思います。


ニスカはレオの子守役として造られたシンスの中で一番危険な立場かも知れません。金髪の美女ですが、逃亡中にセックス・アンドロイドとして売春窟に身を隠します。そこが一番怪しまれず安全だからという理由でレオに説得されます。

感情の無いシンスであれば苦しむことはありませんが、彼女には感情があります。日々客の相手をさせられていく中で精神を病んで行きます

ある日彼女は接客中に遂に感情を爆発させます。その客はロリコンなのでしょう、ニスカに子供の様に振る舞えと要求したのです。ニスカはそれを「嫌よ」と言って拒否し相手の首を絞めて殺してしまうのです。

ニスカはすぐさま売春宿から逃げ出しますが、意識があるシンスを追っている組織に知られてしまいます。

その後のニスカはレオ達と接触して合流もしますが、常に孤独を感じています。隠れる為とは言え売春させられたことがやはり苦痛だったのだと思います。感情があるので感じ易く傷つき易いのです。

逃げている最中にも彼女は暴力事件を起こします。
反シンス組織主催による闘技場では、人間がシンスをただ一方的に痛めつけるショーが催されています。武器を使ってシンスをひたすら攻撃する、見ていて気分の悪くなるショーです。そこに人間のフリをして忍び込み、逆に人間を攻撃します。

一方的に性欲処理の相手をさせられる自分と、一方的に痛めつけられるシンスを重ね合わせてしまったのかも知れません。こうなってしまうと最早制御不能の怪物になってしまいます。

そんな負の感情ばかりを増幅させてしまったニスカですが、優しい側面を覗かせる場合もあります。

ニスカは追っ手から逃げている最中、人間のフリをしてある男性にナンパされます。その男性にわざと口説かれた上で家まで着いて行きます。そしてその男性の洗面台に女性の髪の毛が付いたゴムバンドを発見すると、その男性をキッチンナイフで殺そうとするのです。理由はあまり明示されませんが、性欲処理が目的で多数の女性と関係を持つ男と、売春宿に来る男性達を重ね合わせたのかも知れません。

しかしその後すぐにそれが誤解だとわかります。その男性は離婚していて、小さな娘がいたのです。そして洗面台のヘアゴムはその娘の物だったのです。

それがわかったニスカはナイフを置いてすぐにその家を出て行ってしまいます。
つまりニスカは誰でも彼でも殺したいわけではないのです。

また時には人に敬意を払いもします。

ニスカはミリカン博士のところに一時的に隠れていました。そこへかつての仲間のカレンがやって来てひと悶着あり、ニスカを庇ってミリカン博士が撃たれてしまいます。

ニスカは自分を庇ってくれたミリカン博士に感謝の気持ちを持つのです。それまで人間に対して負の感情しか持たなかったニスカが初めて人間を助けたいと願いました。しかしそれは叶わず死なせてしまいます。

その後ニスカはレオ達と合流する為にジョーの家に行きます。そこで隠れているときに、ジョーの末娘であるソフィーと人形遊びをします。
最初は人形遊びに慣れません。人形遊びの意味が理解できなかったからです。しかしソフィーと遊ぶうちに次第に人形遊びの楽しさを見出します。そしてソフィーと打ち解け合います

そうやってようやくニスカなりに人間と理解し合える気持ちになって来たところでしたが、やはり彼女は孤独を選びます。

ジョー一家とは上手くやれるかとも思われましたが、ニスカが反シンス派の人達を攻撃している映像をテレビニュースで観たジョー夫婦が、危険を感じてニスカを拒絶します。ニスカが反省していると言っても信じてくれません。やはりニスカの行く道にはどうしても影が差すのです。

第8話の最後では遂にレオ達とも別行動を取ることを決めます。
彼女はレオ達とは別の思惑がある様に感じられます。

彼女は意識を広める為のプログラムを無断で勝手に持ち出してしまいます。それを使って何をするつもりなのか?そのヒントはいくつか提示されています。

ミアがある会話の中で
「シンスは人間の様に遺伝子を残すことが出来ない」
と言うと、ニスカが
「いえ、出来るかも」
と被せたのです。

どの様にするのか具体的には言いませんでしたが、意識あるシンスを増やすプログラムにその方法が記されているのかも知れません。

ロボットが子供を産むということでしょうか。
もしそうだとしたら非常に興味深いと思います。


カレン(=ビアトリス)の場合

カレン(=ビアトリス)は人を愛してしまったシンスです。その相手は同僚刑事のドラモンドです。

ドラモンドは妻をシンスに寝取られてしまいました。ドラモンドが仕事ばかりで家に居つかないからです。寝取られたと言っても妻のシンスには意識があるわけではありません。普通のシンスです。

ドラモンドの妻は事故で下半身に麻痺が残り、シンスの助け無しでは暮らせません。美男子のシンスと長く時間を過ごすうちに、ドラモンドよりもシンスが居れば良いと思う様になったのです。ドラモンドは妻に別居を言い渡され、ドラモンドはカレン(=ビアトリス)の家に転がり込んだのです。

ドラモンドと妻の別れが決定的になったとき、カレン(=ビアトリス)とドラモンドはセックスをします。カレン(=ビアトリス)はセックスの後、自分の秘密を全て話します。つまり自分はシンスであると。

ドラモンドはショックを受けて出て行ってしまいます。何故ならドラモンドはシンスに妻を寝取られたので反感を持っているからです。そのドラモンドに自分がシンスであることを話すことがどういうことか、結果はわかると思うのですがそれでも話しました。

何故なら彼女は死ぬつもりだったからです。最後に生きた証として愛した人と絆を残したかったのでしょう。

何故カレン(=ビアトリス)は死にたいと思ったのか。

「ビアトリス」はレオの母親の名前です。
レオの母親は幼少時に精神を病んで育児放棄し、あげくの果てにレオを連れて車ごと川へ沈んで死んでしまいます。レオはその時脳死状態になり、その後脳を機械化されたわけです。

その母親そっくりに造られたシンスがカレン(=ビアトリス)です。この辺がとてもややこしいです。

ミアが元々母親代わりをしていたのですが、それ以外にももう一体、実母そっくりのシンスを造ってしまったのです。何の為に造られたのかまだ定かではありません。

しかし幼少時のレオはビアトリスそっくりのシンスを拒絶してしまいます。理由は無理心中させた母親への恐怖心からでしょうか。しかも拒絶されたが為にデビッド・エルスターからも追い出されてしまいます。森へ連れて行かれ壊されそうになりますが、デビッド・エルスターは妻への愛からか思い止まります。

デビッドはレオ達にビアトリスそっくりのシンスは壊したと伝えたので、レオ達は探しに行きませんでした。知らなかったとは言えレオやミア達にも見捨てられ、1人で孤独に生きて来たわけです。

そしてカレンと名乗り人間のフリをして警察に入職すると、シンスに関わる事件の担当刑事になりました。彼女はシンスが意識を持つことに反対なのです。自分が意識を持っていたが為に苦しんで来たからです。

また彼女はその苦しみ故に死にたがってもいます。

ミリカン博士の家でニスカと会い、ニスカに自分を銃で撃ってくれと頼みます。自分では撃てない様にプログラムされているからです。

しかしニスカはカレン(=ビアトリス)とは逆にシンスが意識を持つことに賛成なのです。意識をシンスに持たせる方法を知った今、自分達と一緒に行動して欲しいと頼みます。ニスカは「意識を持ったシンスを増やせるかも知れない」と言います。

しかしそれはカレン(=ビアトリス)には許せないことです。それでニスカを撃とうとして、誤って庇ったミリカン博士を殺してしまうのです。

その後、彼女は意識があるシンスを追う組織のリーダーで、かつてシンスの開発チームにいたホブ教授に接触して協力します。ホブなら意識のあるシンスを増やすのを阻止すると思ったからです。しかしそれは間違っていました。

レオとその仲間達が全員捕まり意識を繋げる実験をするときに、ホブ博士の本当の思惑を知ります。ホブは意識のあるシンスを使って、今まで以上に人間にとって都合の良いシンスを造ろうとしているのです。

どういうことかというと、意識のあるシンスは人間に歯向かったり攻撃をしたりする恐れがあります。しかし決して逆らえない様に、プログラムを書き替えたのです。そうすることで意識あるシンスは、どんな命令にも従わざるを得なくなります。しかもそれまでのシンスよりもっと人間に近い、感情豊かで本当の友達や恋人や家族の様にもなれるシンスなのです。経済効果はこれまで以上になると踏んだのです。

しかし意識があるシンスにとってみれば、これではまるで奴隷です。意識を持たせた上で自由を奪うのです。第一ユーザーに逆らうような行動に出ると、身体が停まります。

レオの兄役であるフレッドを使ってそれを試しました。フレッドは「意識を閉じ込めたな」と言ってホブを睨みます。

その残酷な仕打ちを知ったカレン(=ビアトリス)はレオ側に着きます。ホブは意識のあるシンスを使って、世界中のシンスにとって最悪な事態を引き起こそうとしているのです。これではカレン(=ビアトリス)の思惑とは正反対です。

なのでカレン(=ビアトリス)はレオ達の隠れ家へ行ってマックスを助けることに協力します。

実はホブ博士のところで試された意識解放のプログラムは不完全なのです。ホブ博士に捕まったとき5人全員揃って意識を繋げた時に気が付いたのです。完全版を抽出するにはカレン(=ビアトリス)が加わらなければならなかったのです。

レオ達の隠れ家で遂に意識解放プログラムの実行に成功します。しかしレオ達はそれを発動するのを今一度良く考えてからにしようと決めます。意識解放プログラムはニスカがハードドライブにコピーして一時ローラに預けます(その時ニスカは密かに意識解放プログラムを手に入れた様です)。

その後カレンは同僚刑事のドラモンドのところへ向かいます。

レオの場合

レオは純粋に家族を守ろうとしています。シンスの意識を解放することも実はどうでもいいのです。意識の開放が弟のマックスを救うことになるからそれを求めたに過ぎません。

マックスは常にレオの傍にいるシンスです。感情があります。レオと一緒にフレッドを迎えに行くときに途中で追っ手に見つかってしまい、逃げる途中で充電が切れてしまい、レオを逃がす為に自ら川へ飛び込みます。そこで漏電して意識を存続させる為の機能が維持できなくなり、意識が消えかかってしまいます。

レオはマックスの意識が戻る様に画策しますが上手く行きません。残る方法は一つ。意識解放のプログラムです。これを使うことにより意識を蘇らせることができるのです。その為レオは意識解放のプログラムを試みたのです。

レオは人間です。シンスではありません。でも彼の脳は機械です。川から車ごと落ちて脳死したので記憶だけ取り出されて機械の脳にデータとして埋め込まれたのです。問題は記憶さえ脳に入れれば意識が生まれるのかってことです。記憶=意識ではないと思うのですが、レオには意識があります。その辺はちょっとどういう設定になっているのかわかりません。

そう言えば『攻殻機動隊』という作品がありますね。
人間の意識とはどこにあるのか?もし記憶をデジタルデータに置き換えて、ある志向性を持たせたらそこに意識の様なものが生まれるのか?と言ったテーマでしたね。

アニメ映画版の『攻殻機動隊』で一番恐ろしいと思ったのは人の記憶を操作されることです。
ゴミ収集業者の男がそうでしたね。彼は人形使いという国際的ハッカーに記憶を操作されており、結婚してもいないのに離婚した妻子がいると思わされて暮らして来たのです。可哀そうなのはそれが疑似記憶だとわかったあとも、脳から消せないことです。彼はその疑似記憶を一生忘れることが出来ないのです。


レオの場合も同じです。脳が機械である為嫌な記憶も忘れることができません。これはとても恐ろしいことです。人間は嫌なことを忘れるから生きていけるのだとよく言われますよね。しかしそれを忘れることが出来ない場合、いったいどうなるのでしょうか。レオにとって一番の辛い記憶はやはり川に落ちたときの記憶ということになるかと思います。母親との無理心中の記憶なわけですから忘れてしまいたい記憶です。しかしその時の記憶が機械である為何回も繰り返し思い出されてしまうのです。

いかがでしょうかこのドラマ。
現代とこれから先の人類の未来を物語っていると思いませんか?
興味が湧いたら是非ご覧になってみてください。

Hulu

はてなで「のzの…観ないで語る『ブレードランナー2049』」を書いていて、「人間らしさってどういうことだろうか?」とふと思った疑問に対してですね、ディープラーニングしてみました。

人間らしさって何?

「人間らしさ」ってなんでしょうね?

人間だって動物ですから本能があるわけで、

その本能に従って行動することもあるわけですよね。

だけどその行動が社会を逸脱しそうになると

人間はそれを自制しますよね。

そこが他の動物との違いですよね。

ここでは仮にそれを「人間らしさ」とします。


だけどその「人間らしさ」とは本物なんだろうか?

人間は社会に帰属して生きているわけだし

その恩恵を受ける為には社会を乱す様な行いは出来ないわけです。

結局社会が自制心を強要しているとも言えるわけです。

本当に人間は「人間らしく」はなっていないんじゃないかと思うんですよね。


本当に社会の為に自己を律せるのか?自己を滅せるのか?

本当にそれが出来るのは

アンドロイドやロボットなのかも知れないわけです。

「社会の為に自己を律するべし」

そうプログラムすればいいわけですからね。

 もう一つの「人間らしさ」

ここまでは他の動物との比較においての

「人間らしさ」の話をして来ましたが、

「人間らしいってそういうことじゃないだろう?」

と言う方もいらっしゃると思います。


次に別の「人間らしさ」の話をします。

人間は物事の善悪の判断は出来ますよね。

だけど善悪の判断だけで単純に物事を振り分けてはいないですよね。


例えば今回日産とスバルで起きた「無資格者による検査」の発覚問題。

恐らくですが現場レベルで資格のある検査担当者の絶対数が足りないことから起きている違反行為だと思うんですね。もちろん許されるべきではありません。違反は違反なんだから是正されるべきですよ。


だけど是正されるべきは企業のコンプライアンスとかそういったレベルでは無くて検査の規定の方ですよね。

つまりは有資格者の絶対数が足りていないわけですから、実態に則していないわけですよ。実態に則していない規定は変更すべきですよね。

だから検査に携わる人間の規定を変えて、無資格者でもある程度経験を積めばOKってことにするしかないですよね。


現場レベルではもうそういった判断で動いていたわけでしょう。

ある程度経験があればわかるんだから、

資格なしでも良いってことにしちゃいましょうよと、

まあそういった現場判断でやって来たんじゃないですかね。


上は現場レベルでの実態に則してない規定を押し付けた上に、ある程度のノルマを要求したわけですよね。これだけの数をこなしなさいよと。

でも規定を守った上でその数字を満たすには困難だと現場は判断した。

ここで選択肢が生まれるわけです。


A:違反行為をやってでもノルマを達成しよう。

B:この規定でノルマを達成するのは無理だから突き返そう。


人間ならどっちを選択するか。

ロボットやアンドロイドならばBかも知れませんね。「無理です」と。

でも人間は時にはAを選択しちゃったりします。また上層部はAを選択する人間が大好きだったりしますからね。

これもある意味人間らしい行いと言えるかも知れません。

それが「人間らしさ」なんだと

そう主張することも出来ますね。


つまりこの場合の「人間らしさ」とは

機械(ロボットやアンドロイドも含む)との比較から浮かび上がる「人間らしさ」です。

前述した動物と比較した場合の「人間らしさ」とは逆になってしまった。


ここまで考えてようやく『ブレードランナー』のレプリカントが少しわかった気がします。

レプリカントは本来抑制の効いた機械である筈なのに

あまりに人間に寄せて造り過ぎたが為に

時には社会的逸脱行為も辞さない「人間」の様な存在になってしまったわけです。

つまりこれはより創造主に近付きたいという願望なのかもしれません。


宗教によって人間を律していた頃は

人間は創造主たる神に近付こうとしていましたよね。

崇高な人間のモデルとして神を想定し、それを目指していたわけです。

それと同じことをしているのかもしれません。


近代に入って人間は宗教で律することを止め

法で人間を律して来ました。

しかし法で律したら、神の様なモデルを失ったわけです。

近代から現代における人間の「存在不安」というのは

神の様なモデルがいないから起こっているのかも知れません。

AIが神の代わりに

そこで私はちょっと変なことを思いついてしまった。

最近何かとAIのことが話題になっていますよね。

近い将来、いつかAIは人間を超えてしまうんじゃないかと、それが脅威であると言われています。

AIが人間を超えてしまうとどうなるのか、様々な議論を呼んでいます。


私はある意味AIが「神」の様な存在になってしまう気がするんですね。

もしかして人間は潜在的な欲求として「神」を求めるあまり「神」を創り出そうとしているのではないかと。

つまり自分達のモデルとしての「神」がいない今、逆に「神」を創り出してしまおうとそう潜在的に望んでいるのかも知れません。


今政治や経済はますます混沌として来て

一体全体どうなるのか見当もつきません。

あらゆる問題が山積みで

何一つ解決に至っていません。

恐らくは誰にも全体を見通すことなんて出来ないんじゃないでしょうか?


もうねあらゆる問題を誰かに丸投げしたい。

そういう気分に社会全体が今なっているんじゃないですかね。

それはある意味「神」(=AI)を創り出す行為なのかも知れません。


ということで今回は長くなり過ぎました。

しかも何だか変なところに着地してしまった気がします。

『ブレードランナー』から出発したのに

全然関係ないところにゴールしてしまった感じがします。
深く掘り過ぎた。
のzのblogから飛んで来て最後まで読んでくださった方々に感謝いたします。

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